インプラント

インプラントとは

インプラント治療は、歯を失った箇所に人工の歯根(インプラント)を埋入し、歯を補う治療法です。

これまで失った歯を補う治療法として、ブリッジや入れ歯が一般的でしたが、最近ではインプラント治療を希望される患者様が増えています。

インプラントは、天然の歯のような美しさと噛み心地をはじめ、他の治療法と比較しても様々な優れた面を持ち合わせています。

インプラント治療のメリット

自分の歯と同じように
噛みしめられる喜び

自分の歯とほとんど変わらない噛み心地で食べ物を味わうことができる喜びは、何ものにも代えがたいものです。

インプラントは入れ歯やブリッジと違い、骨にしっかりと固定されていますので、硬い食べ物でもしっかりと咬むことができます。噛みしめることで味わえる食事の美味しさを損なうことがありません。

また、お食事のときに食べ物が入れ歯の下に入り込んで起こる痛みや、入れ歯洗浄などの日ごろの手間、嫌いな臭いなどの悩みからも開放されます。取り外して清掃する手間もなく、普段通りのブラッシングで健康な歯を保つことができます。

人前でも歯を気にせず笑顔になれる

インプラントでは、他の天然の歯と変わらない美しさを持つ歯が入りますので、外から見てもどの歯がインプラントなのか、ほとんどわかりません。

入れ歯やブリッジのように、固定するための金属が見えることもありませんので、心おきなく人前で笑うことができます。

口元を気にするストレスからも解放され、おしゃべりに夢中になったり、笑ったりすることが心身の健康にもつながります。

歯を失った部分の骨が痩せ衰えない

歯を失うと、噛む行為によって歯根を支えていた骨へと送られていた力の伝達がなくなるため、骨は次第に自分の役目が終わったと思いこみ痩せ衰えてしまいます。

入れ歯やブリッジにした場合にも骨は痩せていくため、食べ物が詰まる、舌触りが悪くなるなどの症状が出てくる可能性があります。

インプラントっかりとは噛む力をし骨に伝えてくれますので、骨は丈夫に保たれ、時間が経っても骨が痩せ衰えるのを防いでくれます。

残っている歯へのダメージを抑える

インプラント治療では、ブリッジのように隣接する歯を削る必要がないため、インプラントの両隣の歯を痛めることなく治療することができます。

残っている歯へのダメージを最小限にできることで、歯の寿命を伸ばせるというメリットにつながります。

また入れ歯は、人工の歯を金属のバネで健康な歯に固定する仕組みになっているため、周りの歯に負担をかけつづけ、数年後には抜歯に至るケースも少なくありません。

インプラントは健康な歯はそのままに固定することができるため、残っている歯にも優しい治療と言えます。

インプラントの構造

インプラントの構造は、上部構造・アバットメント・インプラント体(人工歯根)の大きく3つの部位に分けられます。

歯を失った骨にインプラント体を埋め込み、アバットメントを取り付け、その上に上部構造となる人工歯を立ち上げていきます。

インプラント・ブリッジ・入れ歯の
違い

ブリッジとの比較

ブリッジ	失った歯の両脇の健康な歯を削り、3本の人工の歯を被せます。・噛む際に削られた歯に負担がかかる・歯根がないため噛む刺激がなく歯茎が痩せてしまう・正しい力が伝わらない
インプラント	健康な歯はそのままに、インプラントを埋め込み、人工の歯冠を固定します。・健康な歯を維持できる・歯根があるので正しい力が加わり歯茎も健康に保てる・天然の歯と変わらない外観と機能が保てる

部分入れ歯との比較

部分入れ歯	人工の歯を金属のバネで健康な歯に固定します。・金属のバネを掛けることで健康な歯に負担がかかる・金属が見えるため見栄えも悪く違和感を感じてしまう・付けはじめは会話の際に発音がしづらい (総入れ歯は特に)
インプラント	健康な歯はそのままに、インプラントを埋め込み、人工の歯冠を固定します。・時間とともに骨とインプラントが結合するため、外観も機能も天然の歯と同じ感覚で違和感がない・1本1本単独で固定されるため安心して噛める

総入れ歯との比較

総入れ歯	人工の歯を歯茎全体に被せます。・歯肉が痩せてぐらつき、ズレにより食べ物が挟まる・嘔吐反射が強い方は長時間の装着が困難・毎回外して洗う等のわずらわしさがある
インプラント	複数のインプラントで人工の歯全体を固定します。・顎の骨にしっかりと固定されるためぐらつきがない・食べ物が間に挟まることがほとんどない・天然の歯と同様の外観と機能を保てる

インプラント治療の流れ

基本検査・カウンセリング

インプラント治療において、カウンセリングはとても大切なステップです。

まずは基本検査のデータをもとに、さまざまな治療の方法について説明をさせて頂きます。

また患者様のご要望をお聞きした上で、患者様一人ひとりに最適な治療法をご提案させていただきます。患者様とともに治療方針を決めていきます。
CT撮影

当院ではインプラント治療を行うすべての患者様にCT撮影をして頂いています。

当院には、デンタルCTが備わっておりますので、他医院や施設にてCT撮影を行う手間もございません。院内にて的確な情報を確認し、検証をいたします。
プランニング・シミュレーション

プランニング
基本検査の結果やレントゲン写真、CT画像により、どの部分にどのようなインプラントが何本必要であるかなどを診断し、治療の計画を立てます。

インプラントが必要な部位以外でも治療が必要な場合は、お口全体での治療計画を立て、治療の進め方や費用等についての説明をいたします。

治療はインフォームドコンセント(十分な説明と理解)が十分に行われてから開始しますので、ご安心ください。

シミュレーション
従来では歯ぐきを外科的に切開してからでないと見えなかった顎の骨の詳細な状況を、現在は手術前にコンピュータで分析し、様々な角度からリアルに再現することで、的確な術前シミュレーションができるようになりました。

・単独歯欠損の場合
・複数歯欠損の場合
・無歯顎の（すべての歯を失った）場合

当院では、上記のような様々な状況やご要望に合わせた治療シミュレーションが可能です。先進の医療テクノロジーを用いた3次元分析により、歯ぐき内部や骨状態の詳細(骨量や骨密度)までを完全に把握することで、今まで以上に患者様にとって安全性の高いインプラント治療を行なうことができます。

また、患者様もご自身の顎の状態をコンピューターの画像でご覧いただけますので、治療計画を大変容易にご理解いただけます。
サージカルガイドの作製

人工歯根を埋める穴の位置、角度、深さを治療計画通りに実現するために、CT画像や歯型の3Dデータ等をもとにサージカルガイドを作製します。

インプラント治療では、埋入位置や角度、深さの理想形は患者様ごとに異なり、ほんの少しのずれが治療に大きく影響するともいわれています。

サージカルガイドを使用することにより、より緻密に安全な手術を行うことができ、さらに歯茎や顎の骨への侵襲を最小限に抑えることが期待できるため、治療期間の短縮にもつながります。
インプラント埋入手術

インプラントの人工歯根(フィクスチャー)を顎の骨に埋め込みます。

手術方法は、一回法と二回法の二種類があります。どちらを選択するかは、お口の中の状態に応じてより良い方法を選択することになります。一般的には二回法が主流となっています。
治癒期間

埋入したインプラントが骨と結合、定着するまでは安静期間が必要です。

骨の状態や治療部位によって異なりますが、1.5ヶ月から3ヶ月ほど待つことになります。骨をつくる処置が必要な場合は、治癒期間がもう少し伸びることもあります。なお、この期間中は状態により仮歯を入れることも可能です。

また、イミディエートロード(即時負荷)といって、インプラントを埋入した日にインプラント体の上に樹脂(レジン)で作った仮歯を入れることも可能になりました。

ただし、これはその埋入する部位の骨量、骨密度、本数、埋入時の初期固定の強さなどによって、できる場合とできない場合があります。
アバットメントの装着

埋入したインプラントが骨と結合し定着したら再び歯ぐきを切開して、人工の歯(＝上部構造)の支台となるアバットメントをインプラント体に連結します。
上層構造の装着

二回法の場合は、STEP7のように簡単な外科手術で歯肉を切開して、アバットメントを連結し歯の土台を作ってから上部構造を製作し装着します。

一回法の場合は、骨との結合が確認され次第、上部構造の製作を開始します。
メンテナンス

インプラント治療終了後、インプラントを長持ちさせるためには適切なホームケアと定期的な検診が必要です。当院では3ヶ月に一回のペースでメンテナンスを行うことをお奨めしております。

インプラントの部分だけではなく、他の歯についても専門的な予防処置と検査を行い、お口全体の健康状態を維持できるようにサポートいたします。